ここは「ピルとのつきあい方」旧バージョンの保存ページです。
「ピルとのつきあい方」は1999年に開設されたピルに関するホームページで、
経口避妊薬ピル導入期の日本で貴重な情報源として利用されてきました。
当サイトをオリジンとする情報も少なくありません。
たとえば、緊急避妊に関する情報は当サイトによって広まりましたし、
「飛ばし飲み」も当サイトが用いた用語です。
旧バージョンの内容は基本的に現在でも通用する内容ですが、
ピルの利用環境が変化しましたので、
リニューアル版に移行します。
「ピルとのつきあい方」を模したサイトや換骨奪胎サイトが存在しますので、
オリジナルバージョンを保存しておきます。

「ピルとのつきあい方」リニューアルバージョンはこちらです。

 
ピルの服用可能年齢
ピルとのつきあい方(表紙)ピルとのつきあい方(サイトマップ)メール


何歳から服用できるの?/
10代女性への処方問題/
幼児・男性の誤飲事故/
何歳まで服用できるの?/

ピルを入手するまで(別ページ)
年齢と副作用の関係(別ページ)



何歳から服用できるの?
 医師用の医薬品添付文書には、思春期前の女性は禁忌と書かれています。思春期前の女性は服用できません。その必要もないでしょう。日本でも海外諸国と同様に、20歳未満であっても、ピルが処方されます。医学的には月経が始まっていれば問題のないことで、中用量ピルはこれまでも処方されてきました。しかし、処方を渋る医師がいることも事実です。なぜでしょう。
 20歳未満の女性の服用については、乳癌・子宮頸癌の発生リスクを高めるという報告がある一方で、それを否定する報告もあります。20歳未満の女性がピルを服用した場合、これらのリスクが高まるという報告には、注目する必要がありますが、一般的に支持された考えではありません。 20歳未満の女性に対してピルの処方が渋られる理由は、医学的理由以外にあるのでしょう。

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10代女性への処方問題
 ピル反対派は認可審議の最終段階で未成年者への処方問題を持ち出しました。世論受けをねらってのことであったと思います。しかし、未成年者への処方禁止意見は明確に否定されています。この問題の経緯をまとめた読売新聞の記事と中央薬事審議会の議事録を見てみましょう。

6.1999/10/30 読売新聞大阪本社・朝刊/ [リビング・アイ]10代へのピル処方、医師が判断 複雑な事情に踏み込む必要 】
ピルの認可を議論した国の中央薬事審議会でも、10代への処方は大きな議論となった。モラル低下などの問題をあげ「10代の少女には処方を一切、禁じるべき」との反対意見があった。イギリスで親に内証で服用していたピルが原因で、副作用が起きた事例をあげ、「親の承諾が必要」とする意見もあった。
 大勢を決めたのは10代の妊娠の現状だった。日本産科婦人科学会の調査によると、10代で妊娠した1634人の女性のうち、「避妊をいつもしていた」と答えた人は14・4%なのに対し、「時々していた」が68・7%。避妊への意識が低いことやコンドームしか選択肢のないことによる弊害が起きている。
 民法上では16歳になれば結婚できることも考慮された。
 医師の判断次第では初潮から3か月経ていれば処方できる。医学的には、処方しても成長などに悪影響が出ないとされるからだ。
がんばれ!2000年の子育てのページから引用

【99/06/02 中央薬事審議会常任部会議事録 】

○事務局 資料1-8でございます。多数の意見が寄せられておりますが、反対の意見が多いということでございまして、大きく二つに分けられます。一つは10代の女性への投与を禁止する条件を付けるべきであるというようなご意見、(中略)でございます。
 資料としましてはこの資料1-8の中の「その1」ということで、これは10代の女性に対してピルを処方することに対する懸念に関する意見でございます。(中略)ここで特にこの10代への処方につきまして、制限すべきではないかといったご意見については、5月17日の医薬品特別部会におきましても紹介をさせていただきました。医薬品特別部会ではピルは要指示医薬品となるもので、医師の診察を受けて処方されるものであることから、医師が服用希望者に対しまして個別に処方の適否を判断するものであり、一律に年齢制限を設ける必要はないのではないかというご意見をいただいております。
○□□委員 これらの投書というか、いろいろなことが来ておりまして、それについても先生方にはご覧になっていただいているわけですが、確かにいろいろな文献あるいは報告というのがあるのは事実であります。(中略)もう一つは、報告されているだけでも年間35万の人工妊娠中絶がされているというようなことからすれば、実際に報告されてない事例は4、50万になるわけで、そうすると2年間(ママ)で100万、そういうもののリスクということをやはり考えるべきではないか。
 (中略)
 確かにこれらの投書で言われると、それなりの説得力があるような意見はなくはないと思いますが、やはり全体のバランスを行政的に判断すべきではないかという意見があったということは、付け加えさせていただきたいと思います。
○□□参考人 10代の使用の件でございますが、これはやはり産婦人科医が診察をして処方せんを出しますので、その個人それぞれの年齢や性交の回数、それから妊娠した場合に分娩することができるかどうかというような条件を、きちんと判断して処方せんを切るはずですので、そういうことに関しては一括しては判断できないと思います。 それから幾ら産婦人科医でも、月経の始まっていないような幼弱な子供にはこういうものを処方いたしませんので、骨端線の問題などということは心配する必要はないかと思います。
(中略)
○□□委員 そうですね。ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。それではピルに関して本日予定いたしました審議事項は、これで終了ということにいたします。ご異論がないと判断をいたしまして、皆様方に大変ご苦労をお願いいたしましたが、今回の審議をもちまして、承認して差し支えないという結論として答申をさせていただくということにしたいと思います。

 つまり、10代女性への処方制限問題は明確に決着しているのです。
 このことに関して、あるHP上で17歳以下は禁止とあるのを見かけました。問い合わせたところ、「中高生での低用量ピルの使用経験はほとんどなく、どの国においても使用経験はほとんど無いのが実情です。全て動物実験での作用が基本になっているはずです。」「17歳以下の若年婦人という事項は、日本母性保護医協会が作成した『経口避妊薬投与時の医師の注意』によるものです。」「日本母性保護産婦人科医会が独自の考えで作成したもの(現在も変更点はないとの事です)」とのご返事をいただきました。参考までに書いておくことにします。ちなみに、根拠のはっきりしないことを高飛車にいわれるって、私余り好きじゃないんですけどね。疫学調査って、動物実験でやるんじゃないですよ。
なお、10代の妊娠中絶問題について書いたページも読んで下さいね。

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幼児・男性の誤飲事故
 ホルモン剤が効き目をあらわすのには、体にレセプターがなければなりません。ピルの成分である卵胞ホルモンや黄体ホルモンのレセプターを持っていない男性や幼児が服用しても、影響はありません。しかし、誤飲の起こらないように保管には気をつけましょう。

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何歳まで服用できるの?
 添付文書には、35歳以上で日に15本以上の喫煙者には投与しないように書かれています。また、40歳以上の女性には慎重に投与するように書かれています。これは、種々の疫学調査や諸外国の動向から見て、妥当なもののように思われます。
 問題は非喫煙者の35歳〜40歳まで。添付文書では、この年齢層は慎重投与の対象になっていませんが、35歳を過ぎるとリスクが高くなり始めるデータがあります。したがって、35歳以上を慎重投与にしている国もあります。35歳以上の場合は、慎重に服用した方がいいでしょう。
 では、「慎重」にとはどういうことなのでしょう。「慎重に」という言葉の意味は、2つあります。
一つは健康管理を十分にして下さいという意味。
二つは、ピルのメリット・デメリットを、その人その人のケースバイケースで考えましょうという意味。
ですから、一律に何歳までというようなことにはなりません。実際、35歳から慎重にとなっている国でも、患者さんの事情によっては50歳でも処方しています。
 もう一つ付け加えると、先進国では避妊法を年齢によって使い分けています。35歳ころになると、IUDや手術も選択肢に入ってきます。IUDに切り替える方も増えてきます。ところが、ピルの治療的効果が必要な場合には、ピルを続けることになります。上にケースバイケースと書いたのは、生理痛がひどい場合もあれば、そうでない場合もある。そういうケースに応じて選択していくということです。

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