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21世紀になると黄体ホルモン単剤の緊急避妊薬が広く使用されるようになりました。
黄体ホルモン単剤の緊急避妊薬が急拡大していた2002年、オーストラリアからショッキングな情報がもたらされました。
黄体ホルモン単剤の緊急避妊薬を使用した女性に子宮外妊娠が多く発生するという報告でした。
それより30年ほど前に、黄体ホルモンが輸卵機能を抑制するとの研究が発表されていました。
緊急避妊薬が子宮外妊娠を増加させる可能性はありえると考えられたので、
オーストラリアの報告は注目を集めました。
以来、緊急避妊薬と子宮外妊娠の関係について、多くの研究がなされました。
その結論をわかりやすい数字で説明すると、次のようになります(実際の数字ではありません)。 通常の妊娠で子宮外妊娠が100人中20人に発生するとします(20%)。
5000人が緊急避妊を受けて100人が妊娠し(緊急避妊失敗)、その内40人が子宮外妊娠だったとします(40%)。
単純に比較すると、緊急避妊をすると子宮外妊娠が通常より2倍に増えるように見えます。
しかし、5000人が緊急避妊を受けなければ、
400人が妊娠します。
400人中には80人の子宮外妊娠が発生していたはずなのに(20%)、
40人に半減したとも見れます(10%)。
緊急避妊と子宮外妊娠の関係は、おおよそこのように理解されるようになりました。
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この子宮外妊娠リスクの検討を通して、緊急避妊薬のもう一つの作用機序が認識されるようになりました。
下の図で、EC非服用の場合、受精卵は輸卵管を通って子宮に運ばれます。
一方、ECを服用すると輸卵機能が停止または低下します。

栄養補給されない受精卵は子宮に送られる前に消滅することになります。
これが緊急避妊の2番目の作用機序です。
通常、受精卵は子宮以外に着床することはできません。
ところが、子宮以外の場所に着床できる組織を持ち合わせている女性がいて、
彼女たちは輸卵機能の停止の影響を受けずに子宮外に妊娠が生じてしまうと考えられます。
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