近年刊行されたピルに関する一般書を読んでみました。一冊一冊に書評書いちゃおうかとも思いましたが、大人げないのでやめました。で、マーベロンについてどのように書いているかだけ、ノーコメントで引用してみました。製品別の特性にふれた本って、意外に少ないんですね。ラッセル・マーカーがあの世で苦笑いするような記述についても、ノーコメントっと。
菅睦雄『安全・確実 ! 安心の ピルの本』保健同人社、1998.6.
「『マーベロン』に使われているデソゲストレル(DSG)は、1980年代に開発されたもので、メキシコ産の山芋を原料にしているそうです。その作用は強い反面、プロゲストーゲン(黄体ホルモン剤)に見られがちな男性ホルモン様作用は弱いといわれています。DSG150マイクログラムとエチニルエストラジオール(EE)というエストロゲン(卵胞ホルモン剤)30マイクログラムを含んでいます。」(46ページ)
「1980年代、新しい低用量ピルの時代 1980年代より、天然のプロゲステロンに近い、新たな製剤の開発へと展開していきます。期待される製剤は、より多くプロゲステロン・レセプターに結合するプロゲストーゲン剤です。
デソゲストレルやゲストデンなどが開発され、低用量ピルに用いられるようになってきました。そして一相性ピルと多段階ピルの両輪が新しいピルの時代へと移り変わっていくのです。」(66ページ)
「ホルモン剤の質はますます改良され、より自然に近いものになっていくでしょう。最近の黄体ホルモン剤(プロゲストーゲン)はアンドロゲン作用を少なくし、天然の黄体ホルモンのレセプター(受容体)に特異的に結合する、より自然に近い製剤になっています。
自然のホルモンに近いホルモン剤を用いた避妊薬には、ホルモン補充療法(HRT)的な役割もあります。生活の多様化によって起こる、さまざまなストレスで、ホルモンバランスが乱れ、体に変調をきたしたときなど、ピルはホルモンバランスを是正してくれるのです。」(74ページ)
倉智敬一『くわしくわかるピルの本』中央公論新社、1999.6.
個別製品についての言及はありませんが、以下のように第三世代のマーベロンを念頭に置いた記述がみられます。
「デソゲストレルは一九八〇年代からピルの成分として使用されており、第三世代のプロゲストーゲンと呼ばれます。
その特徴は、黄体ホルモン活性や子宮内膜活性が強くなり、効果が増加した反面で、副作用を引き起こす男性ホルモン作用が弱く、脂質代謝に好影響が期待されることです。」(41ページ)
「『むかつきと嘔吐』
(対策の)第二には、お医者さんに頼んで、なるべくエストロゲン量の少ないピルや、エストロゲンに転換されないプロゲストーゲン剤を含んだピルに変えてもらうとか、・・・」(63ページ)
北村邦夫『からだにやさしいピルの本』講談社、1999.6.
個別製品についての言及はありません。
中村理英子『中村先生、ピルって何ですか?』KKベストセラーズ、1999.7.
個別製品についての言及はありません。
芦田みどり『The ピル』法研、1999.8.
「30歳以下の喫煙者でピルを希望する人は、エストロゲンが少なくて脂質代謝によい効果のある第3世代ピル(マーベロン)がよいと思います。」(85ページ)
「薬のチョイスですが、10代に多いニキビを気にしている女性なら、第3世代のピル(マーベロン)がいいでしょう。」(95ページ)
「●第三世代ピル●
ピルの副作用として唯一残っているのが血栓症です。血栓症の最大の原因はエストロゲンですが、1970年代にプロゲストーゲンも血栓症の原因になりうることが指摘され、そのリスクを下げるために新しく開発されたのが、第3世代といわれるプロゲストーゲンです。これは脂質代謝も改善するためニキビなどにもよく、広く使われてきました。しかし、1995年に、イギリス保健省が「むしろ第3世代のほうが血栓症が多いので処方するときは気をつけるように」という手紙をイギリス中の家庭医に送りました。これをメディアがすっぱ抜き、大騒動になりました。その数ヶ月後にイギリス中で中絶数が跳ね上がったのです。
その後改めて臨床試験をしたところ、古いタイプのプロストローゲンとほとんど変わらないというデータが次々と出ました。イギリス保健省は、99年5月に第3世代でのリスクの増加はないという声明を出しました。にもかかわらず、日本の厚生省はいまだに第3世代ピルを第一選択にしてはならないと言っています。しかし、日本で認可申請が出されていたピルのうち唯一の第3世代であるマーベロンは、低用量ピルの中でもエストロゲンが最も少ないのです。仮にプロゲストーゲンでのリスクがわずかに上がったとしても、全体的な血栓症のリスクは一番少なくなるはずです。」(117ページ)
「子宮内膜症の女性などでプロゲストーゲン効果の高いピルが必要な方は、一相性の方が良いといわれています。また、月経を避けるために連続使用をする場合も、段階型は適当でないようです。」(118ページ)
「ホルモン用量が少なければそれだけトラブルが少ないことは事実です。最も用量が少ないのはマーベロン、次いでトリキュラー、リビアン、トライディオール、アンジュということになります。」(119ページ)
「複雑なのは嫌、単純なのがいいという人は、一相性のマーベロンかオーソMがよいでしょう。」(122ページ)
「ニキビのひどい女性は、第三世代のマーベロンがいいかもしれません。」(129ページ)
早川篤正『ピル・バイブル』講談社、1999.8.
「プロゲステロンは『ノルエチステロン』(最も早く開発されたので、これを第一世代と呼びます)』『ノルエチステロン(二番目に開発されたので、第二世代と呼びます)』『デソゲストレル(三番目に開発されたので、第三世代と呼びます)』の三種類があります。世代を負(ママ)うごとにホルモンの質が強くなり、体に対する働きかけもそれぞれ異なるので、その人の体の状況に応じて使い分けることができます。
ちなみにアメリカでは、現在最も多く使用されているのは第一世代の『ノルエチステロン』です。使用されているピルの半数以上がこれで、残りを第二世代と第三世代のピルが二分しているといわれています。ただし最近では、第三世代の『デソゲストレル』に関しては『ほかのピルに比べて血栓症のリスクが約二倍高い』という英国保健省の報告もあります。実際、英国では副作用を懸念した医師が第三世代のピルを控えるようになったといわれていますし、日本の厚生省も『第三世代はほかの世代のピルに比べると処方の優先順位が低い』と発表しています。ただしアメリカでは、いまのところほとんど問題にされていないようです。」(86−7ページ)
「一相性のピルはホルモンの量が一定しているだけに、結果的に体に取り入れるホルモンの量がやや多くなります。」(90ページ)
「第三世代は一相性の『マーベロン28』。これにはデソゲストレルというプロゲステロンが使われていますが、メキシコ産の山芋を原料にしているといわれます。」(181ページ)
池下育子『初めてのピル』宙出版、1999.9
個別製品についての言及はありません。
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