ミニピルの避妊メカニズム
ミニピルは、基本的には排卵を抑制しないピルです。
排卵頻度はミニピルの種類によってかなり異なりますが、
2周期に1回程度排卵が見られることもあります。
これが通常の混合ピルとの大きな違いです。
排卵を完全に抑止できないのに避妊が可能なのは、
3つのメカニズムによります。
1つは子宮頸管粘液の分泌により、
精子の侵入を防ぎます。
この点は通常の混合ピルと共通しています。
2つは輸卵作用の抑止です。
たとえ受精が成立しても、
受精卵は子宮にたどり着けずに消滅してしまいます。
これは緊急避妊のメカニズムと共通しています。
通常の混合ピルにも同様の作用はありますが、
排卵を抑止する混合ピルではあまり関係のないメカニズムです。
3つは子宮内膜の薄い状態が保たれますので、
着床条件が失われます。
同様のメカニズムは通常の混合ピルにもありますが、
ミニピルでは重要なメカニズムです。
ミニピルの服用では子宮内膜の増殖は極端に抑制されます。
消退出血がなくなったりおりものシートですむ程度になることからも、それは実感できます。
以上をまとめると、
ミニピルは混合ピルと較べて排卵抑制力は劣るけれども、
その欠陥を子宮内膜が着床条件を持たないことで補っているといえます。
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