なぜピルで避妊できるか?
ピルの仕組み(7)

 

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混合ピルというアイディア


グレゴリー・ピンカス(Gregory Pincus、1903–1967)が1951年4月に行った動物実験から、ピルの開発は始まります。
ピンカスはラットに黄体ホルモン剤を与え、
排卵が停止することを確かめました。
まさにそれはミニピルでした。
1954年には、臨床試験が始まります。
ピンカスとジョン・ロック(John Rock)によって行われた共同臨床試験の名称は、
「ピンカス・黄体ホルモン・プロジェクト」(Pincus Progesterone Project)でした。
黄体ホルモン(Progesterone)による排卵の抑制という思想が、
プロジェクト名に反映していました。
しかし、この臨床試験で使用されたのは、
ミニピルではなくエストロゲンを添加した混合ピルでした。
ミニピルを混合ピルにするメリットは何だったのでしょうか。
当時の黄体ホルモン剤は、活性の低いものでした。
排卵を抑制するには、貴重な黄体ホルモン剤の大量投与が必要でした。
それでも、排卵の抑止は不安定でした。
ところが、黄体ホルモンとエストロゲンの合剤にすると、
少量で排卵を抑制することができます。
これは黄体ホルモンとエストロゲンに相加作用(お互いの作用を強める性質)があるためです。
エストロゲンを添加すると、黄体ホルモンの活性が強まる性質を利用したのが、
混合ピルでした。
下の表はミニピルと混合ピルの作用機序を示したものです。
エストロゲンの添加で、ミニピルの弱点が補われているのがわかるでしょう。
避妊機序 ミニピル 混合ピル
排卵抑制
子宮内膜 ◎/○
輸卵抑制
子宮頸管粘液

当時の黄体ホルモンは活性が低いものでしたから、
排卵を抑制するためには高用量のエストロゲンを添加する必要がありました。
高用量のエストロゲンを含むピルは、
副作用の強い薬でした。
エストロゲンの添加量が少なくても、
排卵の抑制ができる黄体ホルモン剤の開発が課題となりました。

Nelly Oudshoorn "Beyond the Natural Body: An Archaeology of Sex Hormones" 1994.参照



 ピルで避妊できる3つの理由
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 ミニピルのメリット・デメリット
 ミニピルの進化
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 混合ピルというアイディア
 生物的ホルモン活性
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