なぜピルで避妊できるか?
ピルを選ぶ(3)

 

避妊薬ピルとはどのような薬かへ戻る / ピルとのつきあい方HOME


黄体ホルモンの強さ


エストロゲン活性について説明したページで、
ストレートウィスキーと水割りウィスキーにたとえて話しました。
黄体ホルモン剤については、種類によって活性が大きく異なります。
それはビールとワインとブランデーでアルコール度数が違うのと似ています。
ノルエチステロン(NET)は用量は大きくても活性は低いので、
ビールのようなものです。
一方、デソゲストレル(DSG)やドロスピレノン(DRSP)は用量は小さくても、
活性は強いのでブランデーのようなものです。
黄体ホルモンの強さを較べるには、
用量で較べても意味がありません。
それぞれの錠剤の黄体ホルモン剤の強さを調べる必要があります。
日本で販売されているピルの黄体ホルモン剤の強さを調べたのが、
下の表です。


 ブランド別黄体ホルモン/エストロゲン活性
ブランド P種類
用量
P活性  *
E活性  *
ノアルテン錠  NET
5mg 
5.0   
ヤーズ  DRSP
3mg
4.5   
20 
ソフィアA  NET
2mg 
   
27.5 
マーベロン
ファボワール 
DSG
0.15mg 
1.35   
30 
プラノバール  NG
0.5mg 
1.3   
50   
オーソM
ルナベル 
NET
1mg 
1.0   
35 
シンフェーズ
白 
NET
1mg 
1.0   
35 
ソフィアC  NET
1mg 
1.0   
55 
オーソ777
淡橙色 
NET
1mg  
1.0   
35 
オーソ777
橙色 
NET
0.75mg   
0.75 
35 
トリキュラー
アンジュ
淡黄褐色(黄色) 
LNG
0.125mg
0.6625   
30   
オーソ777
NET
0.5mg
0.5  
35   
シンフェーズ
淡青 
NET
0.5mg
0.5   
35   
トリキュラー
アンジュ
白色
LNG
0.075mg
0.3975  
40   
トリキュラー
アンジュ
赤褐色
LNG
0.075mg
0.265  
30   
NET:ノルエチステロン、LNG:レボノルゲストレル、NG:ノルゲストレル、DSG:デソゲストレル DRSP:ドロスピレノン。
黄体ホルモン活性(P活性)は相対活性値に用量を乗じた数字、エストロゲン活性(E活性)は相対活性値に用量を乗じた数字。

この表にはエストロゲン活性も合わせて示しました。
それは黄体ホルモンの実際の効き目は、
エストロゲンが多くなるほど強くなるからです。
日本で発売されているピルは種類が少ないので、
上の表からは分からないのですが、
一般に黄体ホルモン活性が強いピルはエストロゲン活性を抑え、
逆に黄体ホルモン活性の弱いピルではエストロゲン活性が強くなる傾向があります。
前者を黄体ホルモン優位のピルと言い、
後者をエストロゲン優位のピルと言います。
日本で発売されているピルは、概してエストロゲン優位のピルといえるでしょう。
(ヤーズは黄体ホルモン優位のピルです)

蛇足1
当サイトでは、トリキュラー・アンジュについて、
1シート目の飲み始めを生理初日とするようお奨めしてきました。
上の表でトリキュラー・アンジュの赤褐色の錠剤を見ていただくと、
極端にエストロゲン優位となっていることがわかるでしょう。
世界で発売されているピルの全てのブランドの中で、
トリキュラー・アンジュの第1相の錠剤は特異な錠剤です。
卵胞が発育し始めてから飲み始めても、
しっかり排卵を抑制できるか不安なのでこのようにお奨めしてきたのです。

蛇足2
上の表のソフィアCをご覧ください。
ソフィアCは中用量ピルですが、
黄体ホルモン活性もエストロゲン活性も低用量ピルとほぼ同じなのがおわかりいただけるでしょう。
オーソMとソフィアCは効果的にはほぼ同じピルで、
肝臓への負担はソフィアCの方がやや大きいという感じです。
肝臓への負担が大きなピルを治療用という名目で処方するのは、
いかがなものかと思います。

蛇足3
活性の数値と実感できる作用の間には、
ズレがあります。
その原因にはいくつかのことが考えられていますが、
代謝条件は大きな要因です。
ピルの成分は体内で代謝されて作用が現れます。
代謝に要する時間は、個体差がありますし、薬の種類によっても異なります。
また、体調によって異なることもあるでしょう。
一般に相対活性の低いものほど、代謝時間は長くなります。
ミレーナから放出される黄体ホルモン(LNG)は、1日当たり0.028mgに過ぎません。
しかし、消退出血量は極端なまでに減少します。
同様な現象は、他の非経口ホルモン避妊法でも多かれ少なかれ見られます。
これは低レベルでも継続的に作用し続けることが大きな原因です。
第1世代ピルで経血量の減少が顕著なのは、
作用時間の長さが関係しているでしょう。





 自分に合ったピル
 エストロゲンの用量と活性
 黄体ホルモンの強さ
 アンドロゲンの強さ
 ピル選びのヒント



避妊薬ピルとはどのような薬かへ戻る / ピルとのつきあい方HOME
 




















このHPの著作権はrurikoにあります。無断転載及び画像の使用は禁止します。
Copyright(C) 1999-2012 ruriko. All rights reserved