避妊薬ピルの副作用と副効果
ピルの服用と癌のリスク(2)

 

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ピルの服用による卵巣癌リスクの低下


卵巣癌について、『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)』は、以下のように記述しています。

d.卵巣癌
卵巣癌について、4件のコホート研究および21件の症例対照研究による系統的レビューによれば、35 μ を超えるEEを含有するOC服用歴のある女性の上皮性卵巣癌発症リスクが40〜50%低くなったとの報告がある。含有するEEが35 μ 未満のOCもこの予防効果を発揮することを裏付ける根拠が最近の後向き症例対照研究で得られている(オッズ比(OR) 0.5、95%信頼区間(CI) 0.3〜0.6)。卵巣癌の死亡率は、OCの使用期間が長期化するのに伴って低下しており、卵巣癌リスクの低下はOC中止後15年まで持続したとの報告がある。
( 2)OCの使用によって卵巣癌および卵巣嚢腫のリスクが減少すると指導してもよいB。

記述のもとになっているデータは、以下の通りです。

卵巣癌リスク(10万人中)
 − ピル服用経験なし ピル服用経験あり  相対リスク(95%CI) 
 死亡  18.04  9.47  0.53(0.38-0.72)
 罹患(全データ) 24.66  13.23 0.54(0.40-0.71)
  罹患(開業医データ) 20.28 10.25 0.51(0.33-0.78)
服用期間4年未満 11.90 0.58(0.33-1.04) 
服用期間4年−8年 11.63  0.57 (0.30-1.07)
服用期間8年以上 7.69 0.38 (0.16- 0.88)
服用中/経過5年未満 10.16 0.50 (0.24-1.01)
経過5年−10年 8.51 0.42 (0.18-0.97)
経過10年−15年 5.77 0.28 (0.11-0.71)
経過15年−20年 16.21 0.79 (0.38- 1.67)
経過20年以上 12.39 0.61 (0.24-1.52)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1995533/pdf/bmj-335-7621-res-00651-el.pdf

ガイドラインは、正しく事実を伝えています。
ピルの服用で卵巣癌のリスクは減少します。
ただ、統計上で卵巣癌リスクが低下するといえるのは、
8年以上服用を継続した場合だけです。
8年以下の服用でも相対リスクは低くなっていますが、
CIはわずかに1.00を越えていることを知っておいてよいでしょう。
もう一点は、卵巣癌リスクの程度をどう考えるかです。
卵巣癌の罹患は10万人中24人です。
1000人中になおすと、0.24人です。
0.24人が0.13人になるという話なのです。
卵巣癌の予防になるからピルを飲むというレベルではないような気がします。
ガイドラインの
「OCの使用によって卵巣癌および卵巣嚢腫のリスクが減少すると指導してもよい」
を受けて「副効果」が強調されるようになりました。
それは「指導」するほどのことなのだろうか、
というのが率直な感想です。
日本語の「副効果」は、英語では「健康上の恩恵」です。
「健康上の恩恵」なら「指導」することにはなりません。





癌による死亡率
ピルの服用による卵巣癌リスクの低下
ピルの服用による子宮体癌リスクの低下
ピルの服用による大腸癌・直腸癌リスクの低下
ピルの服用による乳がんリスクへの影響
ピルの服用による子宮頸癌リスクの増加
髄膜腫(片頭痛の症状)について注意!!


循環器・消化器・肝臓疾患による死亡率



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