避妊薬ピルの副作用と副効果
ピルの服用と癌のリスク(3)

 

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ピルの服用による子宮体癌リスクの低下


子宮体癌について、『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)』は、以下のように記述しています。

f.子宮体癌
子宮体癌について、症例対照研究で、OCの使用により子宮体癌リスクが50%低下することが示された。これは3件のコホート研究および16件の症例対照研究による系統的レビューによって裏付けられた。子宮体癌の死亡率もOCの使用によって低下し、しかもこの効果は5年後も認められ、使用中止10年後まで持続する。

( 3)OCの使用によって子宮体癌のリスクが減少すると指導してもよいC。

記述のもとになっているデータは、以下の通りです。

子宮体癌リスク(10万人中)
 − ピル服用経験なし ピル服用経験あり  相対リスク(95%CI) 
 死亡  4.47 1.94  0.43(0.21-0.88)
 罹患(全データ) 19.53  11.30 0.58 (0.42-0.79)
  罹患(開業医データ) 13.27 6.24 0.47 (0.27-0.81)
服用期間4年未満 8.08 0.60 (0.30- 1.21) 
服用期間4年−8年 1.87 0.14 (0.03-0.58)
服用期間8年以上 - 7.69 0.57 (0.27-1.19)
服用中/経過5年未満 3.23 0.24 (0.09-0.61)
経過5年−10年 2.43 0.18 (0.02-1.32)
経過10年−15年 7.61 0.57 (0.24-1.35)
経過15年−20年 7.93 0.59 (0.23-1.50)
経過20年以上 8.53 0.63 (0.23-1.78)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1995533/pdf/bmj-335-7621-res-00651-el.pdf

ガイドラインの記述は、ほぼ事実です。
ピルの服用で子宮体癌のリスクは減少します。
ただ、子宮体がんの絶対数が少ないためにばらつきが生じています。
統計上で子宮体癌リスクが低下するといえるのは、
4年から8年服用を継続した場合だけです。
他のケースでも相対リスクは低くなっていますが、
CIは1.00を越えていることを知っておいてよいでしょう。
もう一点は、子宮体癌リスクの程度をどう考えるかです。
子宮体癌の罹患は10万人中13.27人です。
1000人中になおすと、0.13人です。
0.13人が0.06人になるという話なのです。
子宮体癌の予防になるからピルを飲むというレベルではないような気がします。
ガイドラインの
「OCの使用によって子宮体癌のリスクが減少すると指導してもよい」
を受けて「副効果」が強調されるようになりました。
それは「指導」するほどのことなのだろうか、
というのが率直な感想です。
日本語の「副効果」は、英語では「健康上の恩恵」です。
「健康上の恩恵」なら「指導」することにはなりません。





癌による死亡率
ピルの服用による卵巣癌リスクの低下
ピルの服用による子宮体癌リスクの低下
ピルの服用による大腸癌・直腸癌リスクの低下
ピルの服用による乳がんリスクへの影響
ピルの服用による子宮頸癌リスクの増加
髄膜腫(片頭痛の症状)について注意!!


循環器・消化器・肝臓疾患による死亡率


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