避妊薬ピルの副作用と副効果
ピルの服用と癌のリスク(5)

 

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ピルの服用による乳がんリスクへの影響


乳がんについて、『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)』は、以下のように記述しています。

d.乳癌
ある症例対照研究のメタ分析では、OCの使用によって乳癌リスク増加が示唆された(RR 1.24; 95% CI 1.15〜1.33)。このメタ分析によれば、乳癌リスクが24%高くなっている。OC中止後10年間はリスク増加を認めなかった。その後の人口集団を基礎とした症例対照研究で、低用量OCと乳癌リスクに関する新しい知見が示された。未服用者と比べてOC服用者でのリスクの増加は認めないと考えられるが(RR 1.0; 95% CI 0.8〜1.3)、信頼区間の上限は共同グループ研究の値と同じであった。家族歴、OC服用期間、服用開始年齢、ホルモンの用量や種類によるリスクの増加はなかった。また服用期間にかかわらずOCによる乳癌の死亡率の増加は認めない。女性に対しては、OCの使用によって乳癌リスクが増加する可能性は小さいと指導してよい。
( 4)乳癌の家族歴の有無にかかわらず、OCの使用により乳癌リスクが増加する可能性は小さいと指導してもよい。

乳がんについてのデータは、以下の通りです。

乳がんリスク(10万人中)
 − ピル服用経験なし ピル服用経験あり  相対リスク(95%CI) 
死亡 43.91 39.41  0.90(0.74-1.08)
 罹患(全データ) 124.20 129.31 0.98 (0.87-1.10)
  罹患(開業医データ) 105.96 108.12 1.02(0.87-1.20)
服用期間4年未満 105.24 1.00(0.81-1.23) 
服用期間4年−8年 100.19 0.95(0.75-1.21)
服用期間8年以上 128.23 1.22(0.97-1.52)
服用中/経過5年未満 87.50 0.83(0.67-1.03)
経過5年−10年 110.76 1.05 (0.58-1.37)
経過10年−15年 134.13 1.27 (0.99-1.63)
経過15年−20年 258.24 2.45(1.79-3.35)
経過20年以上 56.71 0.54 (0.35-0.82)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1995533/pdf/bmj-335-7621-res-00651-el.pdf

ガイドラインは、ピルの服用で乳がんリスクはほとんど影響されないと書いています。
妥当な見解です。
乳がんは大腸癌以上に食生活など生活習慣の影響を受けます。
日本で乳がんは増加傾向にあります。
それはおそらく生活習慣と関係しています。
たとえば、乳製品の摂取量と乳がんリスクは関係があるのではないかと考えられています。
飲酒も乳がんと関係するかもしれません。
このように大きく関与する他の要因が存在するとき、
ある一つの要因(ピル)と乳がんの関係を調べるのは、
難しくなります。
調査の仕方によってはリスクが高いとでたり、
逆に低いと出たりしやすいものです。
実際に乳がんとピルの関係を調べた研究の中にも、
別の結論を導いているものがあります。
しかし、ピルの服用で乳がんリスクは影響されないと考えてよいでしょう。





癌による死亡率
ピルの服用による卵巣癌リスクの低下
ピルの服用による子宮体癌リスクの低下
ピルの服用による大腸癌・直腸癌リスクの低下
ピルの服用による乳がんリスクへの影響
ピルの服用による子宮頸癌リスクの増加
髄膜腫(片頭痛の症状)について注意!!


循環器・消化器・肝臓疾患による死亡率



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