避妊薬ピルの副作用と副効果
ピルと生理(消退出血)−1−

 

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月経の仕組みと月経のトラブル


諦めちゃダメ! 
以前、同じ職場に勤めていたある友達は、生理不順で、量も相当多いとのこと。夜用のナプキンを昼間も使っているのは、ほんとうに気の毒でした。ピルは生理を軽くする効果がすごくあったみたいで、彼女には大変喜んでもらえました。ピルの服用で多くの方は、経血量が減少します。
しかし、経血量よりももっと深刻なのは生理痛。生理痛は半数以上の女性にみられ、10%前後の方はかなり重症だといわれています。ピルは生理痛に顕著な効き目を発揮することがあります。
月経困難症についてみれば、ピルの服用で約1/3に減少しています。痛み止めを大量に飲んだり、寝込むような重症の生理痛も、ピルの服用できれいに解消することがあります。
生理痛は女性の宿命だと諦めていませんか。
ピルとお友達になれば、長年の生理痛と縁を切ることが出来るかもしれません。

上記は当サイトの旧版の記述です。
現在なら、誰でも知っているような内容です。
でも、当サイト開設当時の状況は違っていました。
低用量ピルは避妊薬、中用量ピルは治療薬と考えられていました。
そして、低用量ピルに上記の効果はないとのおしかりをたくさん頂きました。

以下も旧版の内容に一部加筆修正したものです。



■機能性月経困難症

 【原因】
 月経困難症のうち、その基礎をなす病的原因が見られないものを機能性月経困難症と呼びます。
 生理痛の多くは機能性月経困難症であり、ほとんどのケースで思春期に始まります。思春期には無排卵であったために感じられなかった痛みが、排卵が順調になるにつれてひどくなることもあります。年齢を経るにしたがって、また出産を経験することによって、症状が軽減することもあります。
 機能性月経困難症の痛みには、プロスタグランジンという物質が関係しています。プロスタグランジンは出産の時に子宮を収縮させる物質です。生理は小さなお産と同じなのです。プロスタグランジンが分泌されると子宮は収縮して経血を排出しようとします。プロスタグランジンが強く作用しすぎると、子宮が強く収縮して子宮の内層(子宮内膜)への血液供給が減少するために痛みが生じると考えられています。
 痛みの強弱に関係するものに、子宮頸管の広狭があります。頸管の疾患の治療の後のように子宮頸管が狭いときには特に痛みがひどいことが知られています。月経の間に排出された子宮内膜の組織が子宮頸部を通過するときにも悪化します。痛みを悪化させる可能性のある他の因子には、子宮が前方ではなく後方に傾斜したもの(後傾子宮)、運動不足、そして心理的あるいは社会的ストレスが含まれます。
 出産により生理痛が軽減することがあるのは、子宮頸管の広狭と関係しています。子宮頸管が狭いと経血が押し出されにくいので、子宮を収縮させる大きな力がかかります。そのため、痛みがひどくなるのです。
 プロスタグランジンは子宮を収縮させるだけでなく、血管を収縮させます。生理の時の頭痛は、血管の収縮によって起きると考えられています。

【治療】

 生理痛については、鎮痛剤から漢方薬に至るまで様々な治療法が取られています。その中で、鎮痛剤はポピュラーで効果もある方法です。市販の生理痛の薬にも、プロスタグランジンを減らす成分が含まれています。生理痛がプロスタグランジンによって引き起こされていることからすれば、正攻法の治療法といえるでしょう。
 プロスタグランジンが痛みの原因ならば、その分泌そのものを抑えればよいのではないかということになります。ピルはまさにそのように作用するのです。無排卵月経では痛みがなかったり軽かったりすることがあります。排卵がなければ、プロスタグランジンの分泌は抑えられます。ピルを服用すれば排卵は起こりません。休薬期間に起きる生理(消退出血)は、黄体ホルモンの減少によって人工的に起こされる出血です。生理(月経)とは異なり、プロスタグランジンは多くなりません。休薬期間中の消退出血ではプロスタグランジンが効きすぎることがなくなるので、生理痛が軽くなるというわけです。
 ピルの服用によって、子宮頸管の広狭は変わりませんが、経血量の減少や経血の粘着性が低くなる(サラサラとした経血になる)ことは、生理痛の軽減にプラスに作用します。


■器質性月経困難症
【原因】
 何らかの病的原因が潜んでいる場合、器質性月経困難症と呼びます。病的原因としては、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症(子宮の内層による子宮の筋肉壁への非癌性浸潤)・卵管の炎症・異常な線維性の器官間の連結(癒着)などがあります。原因により痛みの部位・痛みの種類・痛みの時期が異なります。しかし、いずれの痛みも生理期間中に悪化する傾向があります。器質性月経困難症については、悪性腫瘍などが潜んでいることもあるので、婦人科で原因を明確にする必要があります。

【子宮筋腫】

 器質性月経困難症の中でも多いものが、子宮筋腫と子宮内膜症です。子宮筋腫は女性の1/3ほどが経験するポピュラーな疾病です。子宮筋腫の患者さんに海外では、低用量ピルが当然のことのように使われています。ところが、なんと日本では子宮筋腫はピルの絶対禁忌に指定されてしまいました。おそらく、世界中で子宮筋腫がピルの禁忌に指定されている国は日本だけでしょう。エストロゲンは筋腫を増大させる危険があるというのがその理由です。もし、本気でそのように考えているなら中用量ピルを禁忌に指定すべきでしょう。中用量ピルは相対禁忌(慎重に使う)なのに、低用量ピルは絶対禁忌(使用禁止)なのは不合理です。このような不合理は、低用量ピルを「半解禁」状態にする政治的意図から生じました。

【子宮内膜症】

 器質性月経困難症の原因で大きな比重を占めているのが子宮内膜症です。生理痛が年々ひどくなる場合は、子宮内膜症がもっとも疑われます。子宮内膜症は近年増加傾向にあると言われています。子宮内膜症は、本来子宮内膜にしかみられないはずの組織が、他の部位に発生するものです。
 低用量ピルは、海外では子宮内膜症のポピュラーな対処法です。日本では長年低用量ピルが認可されなかったために、世界標準の対処法とは異なる治療法が取られてきました。海外で低用量ピルが使われてきたのは副作用が少ないというだけでなく、エストロゲンの少ないピルが子宮内膜症に適していると考えられているからです。
 ピルは内膜症が広がるのをくい止め、症状を緩和する作用があります。内膜症の初期から使えば、手術が必要になるほど悪化しないことも多いといわれています。低用量ピルがもっと早く解禁されていたら、ピルについての情報がもっと普及していたら、と思うと残念でたまりません。
多くの女性の苦しみを救うことが出来るのに、なぜ?なぜ?なぜ?と思わずにはいられません。
ほんとうに悲しくなります。

 「ピルとのつきあい方」は、子宮内膜症の治療に低用量ピルが有効な一手段と考えています。低用量ピルが子宮内膜症の初期段階で使われるようになれば、女性の健康に大いに寄与すると思います。実に多くの女性が子宮内膜症で苦しみ、副作用の強い治療を受け、さらには手術に追い込まれている現状は異常です。ピルの認可・普及に反対してきた方々は、多くの女性を非常な苦しみに追い込んできたことをじっくり考えてみてほしいと思います。


■月経前症候群(PMS)
 月経前症候群(PMS) は、排卵期から生理が始まるまでの間に生じる様々な不快な症状をいいます。身体的症状もあれば、気分的・精神的症状もあります。
 身体的症状としては、腰痛・腹部膨満・腺の張り及び胸痛・食欲の変化・便秘・めまい・失神・頭痛・骨盤領域における重い感覚、または圧痛・顔面潮紅(ホットフラッシュ)・不眠・活力不足・悪心と嘔吐・強い疲労・皮膚の問題、例えばざ瘡及び限局した掻爬皮膚炎・組織腫脹または関節痛・体重増加などの症状があります。
気分的・精神的症状としては、興奮・怒り・抑うつ・いらいら・気分変動・神経質・錯乱・集中することが困難・記憶喪失、健忘などがあります。
 月経前症候群のメカニズムは十分わかっているとは言えませんが、月経周期の間に生じる卵胞ホルモンと黄体ホルモンのそれぞれのレベルが変化することと関係すると考えられています。他のホルモンや代謝の変化が関与している可能性も指摘されています。
 月経前症候群(PMS)の女性にも、海外では低用量ピルが使われています。低用量ピルにより、ホルモン変動を起こさせないことが好結果につながることがあります。日本で販売されている1相性ピルが1種類であることは、PMS治療への低用量ピルの使用を困難にしています。
PMS治療については、それぞれの体質にあったピルを選択することが重要になります。
 なお、排卵痛もPMSの一種と考えることが出来ますが、ピルの服用により排卵痛はなくなります。

注)このページの記述については「メルクマニュアル」を参照した。

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当サイト旧版から10年あまりが経過しました。
ピルが月経にまつわるトラブルの解決のために使われるようになったことは、
とても喜ばしいことです。
月経にまつわるトラブルを持つ女性がピルを使うことと、
ピルを治療薬として認可することは本質的に異なっています。
海外では避妊効能を持たない治療目的だけのピルは存在しません。
全てのピルは避妊薬です。
その中から自分に合ったピルを選べるようになっています。
日本ではルナベルとヤーズが、治療薬として認可されています。
ルナベルとヤーズが合わない方もいます。
合わなくても治療薬だから我慢して使えということになるのでしょうか。
当サイトはピルは女性の生活の質を高める薬と考えます。
だから、月経のトラブル解決にも利用することをお勧めしてきたのです。
この考えと、ピルを治療薬にしてしまう考えは、相容れません。





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