経口避妊薬ピルの服用法
飲み忘れ対応問題の国際的動向と本サイトの見解(4)

 

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本サイトの見解

【日本のユーザー】
日本のユーザーは、例外なく日本語を読み理解することができます。
また、ほぼ例外なく携帯電話を保有しており、
携帯サイトにアクセスできることも日本の特色です。
携帯サイトを設け、情報にいつでもアクセスできる条件を整備すれば、
シンプル化の必要はないのではないかと考えました。
ふたつ目に、日本人の品質に対する要求水準の高さです。
1回の飲み忘れによる妊娠の確率は、最大で0.6%です(年換算8%)。
WHO新基準の対応でも、この確率を格段に低下させることができます。
したがって、シンプル版の対応でも十分だという考えは成り立つのですが、
できうる限りの完璧さを求めるのが日本人的心情ではないかと思います。
日本クォリティーの基準があってもよいのではないかと考えます。

【不確かさ】
前向き研究の結果と後ろ向き研究の結果には、
必ずしも十分な整合性があるとはいえません。
後ろ向き研究では、完璧な服用を続けていても非常に低い確率ながらすり抜け排卵の生じることが示唆されているし、
完璧な服用でない場合その確率が上昇することも示唆されています。
ところが、前向き研究では後ろ向き研究の示唆する排卵を十分に説明できていません。
すり抜け排卵については、まだ十分な研究がないというのが実情です。
もう一つ考慮すべき事情は、
日本にはピル服用歴の浅いユーザーが多いことです。
ピルユーザーの予期しない妊娠は、
1年以内のユーザーに多いというデータがあります。
その理由には、服用歴の短いユーザーは正しい服用習慣が確立していないこともあります。
しかし、もう一つの理由は、
ピルが身体になじむには一定の時間がかかるということです。
服用歴が長くなると消退出血の量が減少することはよくあることです。
消退出血の量が多いのは、
卵巣から卵胞ホルモンの分泌がなされていることと関係します。
服用歴の短いユーザーの卵巣は眠りが浅いともいえるわけで、
このことが1年以内のユーザーの妊娠が多い理由となっています。
ピル服用歴の浅いユーザーが多い日本では、
シンプルな飲み忘れ対応で十分なのだろうかという疑問が残ります。

【WHO基準改訂への対応】
WHOの基準は不変なものではなく、改訂されていきます。2011年現在は、第4版です。WHO基準の改訂に合わせて、
飲み忘れ対応を改訂していくにはかなりのエネルギーを要します。
細心版は汎用性という利点を有します。
ちなみに、「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)」が作成されたとき、日本には超低用量ピルはありませんでした。
そのため、日本のガイドラインはWHO基準の低用量ピルの部分を紹介しています。
その後、日本では超低用量ピルのヤーズが利用できるようになりましたが、
日本のガイドラインは改訂されていません(ヤーズには避妊の適応がないという言い訳は可能ですが)。

【緊急避妊薬へのアクセス】
WHOの基準変更の背景に緊急避妊法の普及があります。
飲み忘れ対処法をシンプル化していくと、
緊急避妊に頼らざるを得ないケースが出てきます。
WHOの基準変更を受けた各国のガイドライン策定でも、
緊急避妊の適応範囲は大きな焦点となりました。
その選択肢が可能なのは、緊急避妊薬がOTC薬化(処方箋なしで薬店で買える薬)しており、
価格も安い(アメリカで40-50ドル程度、3千数百円)という事情があります。
一方、日本では緊急避妊薬ノルレボが認可されましたが処方薬ですし、
価格も高いのが現状です。
飲み忘れ対応を考える際に、
緊急避妊薬へのアクセスの容易さも考慮される条件の一つです。

【日本の実情にあったガイドライン】
本来、日本の実情にあったガイドラインを作成すべき責任の人がいるはずです。
しかし、残念なことに、その責任が果たされているとは思えません。
日本のガイドライン(改訂版)は不備のある1999年ガイドラインを否定しておらず、
参考としてWHO第2版基準の一部を紹介しているに過ぎません。
本サイトが提案した飲み忘れ対応が広く受け入れられてきた状況は、
変わっていないように思われます。

【本サイトの提案する飲み忘れ対応の背景】
本サイトの飲み忘れ対応は、
14日ルールと7日ルールの混在していた1990年代の状況を反映したものです。
基本は14日ルールで部分的に7日ルールの知見が取り入れられています。
たとえば、12時間の許容という考えは14日ルールの時代にはなく、
7日ルールにともなって出てきた考えです。
超7日ルールともいえるWHO第2版基準が出た今となっては、
本サイトの考えはとても古くさい考えです。
しかし、14日ルールをベースとした飲み忘れ対応が、
欧米の一部では依然として支持されている実情があります。
ピルユーザーの意図しない妊娠に心が痛んだ経験が、
より慎重な対応を選択させていると考えます。


飲み忘れ対応問題の国際的動向と本サイトの見解

 2004年WHO基準の特徴と背景
 各国の動向
 日本の状況
 本サイトの見解
 (補足)飲み忘れ対応の規定要因


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